VOL.11

オリーブオイル、オリーブ加工品など、商社を通さず独自に輸入販売。

オー・リーブ・ジャパン株式会社 代表取締役 工藤亜由美さん
会社員時代に仕事でいったスペインでオリーブと出会い、起業した工藤亜由美さん。
商社を通さず自ら産地まで行って、オリーブの収穫を確かめてから商品を輸入し販売されています。商品はもとより、生産者さんたちの人柄や生き方に共感したことが原動力となっています。

[ 企業プロフィール ]
  ・会社名:オー・リーブ・ジャパン株式会社
  ・設立年月日:2013年2月
  ・URL:http://www.olvjapan.jp/
  ・事業内容:・オリーブオイル、オリーブ加工食品、クリームはちみつ等の輸入販売
  ・化粧水の販売

収穫期に現地まで行って見てきたオリーブオイルを独自輸入し販売しています。

当社はスペイン産やニュージーランド産のオリーブオイルやオリーブ加工品、それから日本では珍しいクリームはちみつなどの輸入販売を行っています。オリーブオイルは、商社を通したりせず、収穫期に現地まで行って実際に採れたオリーブやオリーブオイルを見て独自に仕入れています。

    

また2014年3月からは自社で開発した『澄(スミ)クリアローション』というオリジナルの化粧水を販売しています。これはクリームや美容液がいらない、スキンケアが1本でできる化粧水です。

会社員時代、仕事で行ったスペインで「オリーブ農家」との出会いがありました。

ずっと会社員だったのですがその会社が投資ファンドに買収されてマネージメント体制が変わり、自分の置かれている環境も大きく変わりました。今まで自分がやってきたことが全く通用しなくなり、これまで感じたことのないストレスを感じ、自分自身を見つめ直すきっかけになりました。自分はこの人生でいったい何をしているのだろうと思った時、“辞めてもいいんだ”“もっと自分の人生を生きよう”という思いが湧き上がり、会社を退社しました。
それで何をしようかと考えた時に、会社員時代に仕事でスペインに行きオリーブオイルに触れる機会があって、ふとそれが頭に浮かびました。それで、その時に出会ったオリーブオイル専門の日本人コーディネーターに相談したところ、品種の特異性、風味、ストーリー、価格面でこれはイケると思うオリーブオイルに出会いました。即座に販売を決め、会社を設立し、輸入のための作業に入りました。そして、その後、初めて訪れた生産農家は、スペインの大地と空を感じる自然のままの環境と、何より、作り手の人柄の素晴らしさに、自分の選択が間違っていなかったことを確信しました。

自分の起業を振り返ると、起業することを始めに決めたのではなく、実は、機会があって海外の街をひとりで歩いている時に、ふと、オー・リーブ・ジャパンという社名が浮かんだのです。オリーブ(olive)のO(丸く楽しく)+ live(生きる)で、オー・リーブ、そして日本だけにとどまることなく世界と繋がっていたいという思いをこめてジャパンとつけ、「オー・リーブ・ジャパン」を社名にしました。
社名が先に浮かんだことで、自分はこういう生き方がしたかったのだと改めて気づかされ、とにかくやり始めてみようと思いました。

それから、化粧水の方はもともと化粧品会社にいたことから、肌にとってはクリームも美容液もいらなくて、本当にいい化粧水が1本あればいいのだと確信していました。私自身アトピー気味だったので、肌の水分と油分をバランスよく整え、肌に必要なビタミンCなどを、肌に負担なくちゃんと届くものを作りたいと思いました。そんな思いがずっとあったので、オリーブオイルの輸入販売と並行して、化粧水の開発をしていて2014年の春にようやく商品ができたので販売を始めました。

起業して、自分を知る旅が始まったような気がしています。

起業して良かったなと思うのは、もちろん、リスクや計り知れない不安はありましたが、少なくとも、会社や組織、上司のために働く消耗戦ではなくて、自分のやりたいことに集中できることです。そして、分かったことがひとつあります。それは、自分と真摯に向き合うということは精神的にもかなりハードですが、その道を投げ出さずに歩き続けていると、必ず必要な人との出会いや出来事が、自分の能力を超えてギフトのように自分に起こります。誰かや何かに期待するのではなく、自分を信じることができるようになれば、必ず道は開けるということを知りました。自分を信じる、「自信」というのは、自分の能力に頼ることではなく、何が起こっても大丈夫だ、と自分を信頼するということです。それが本当の意味で分かったことが、起業して本当に良かったと思うことです。

あとは、自分が動かなければ何も動かない環境にあるので、改めて自分が何を考え何をしたいのかを見つめ直したりします。また事業を進める中でいくつかの選択肢があった時に、とらなかった選択肢のことをいろいろ考えてもしょうがないので、とった選択肢について何があっても大丈夫だと自分を信じ進むこと、またその能力を養うことが自分の会社を大きくしていく上ではもちろん、自分の人生をハッピーに生きていく上でも、大きな学びとなっています。

起業して大変だなと思うことは何があっても継続していくということです。投げ出したいと思うことがあってもとにかく続けていくことです。止めてしまったらそれっきりで存在しなかったことと同じになってしまいます。
それと大変なのはやはり資金繰りです。輸入販売なのでまず仕入れがあって在庫を抱え、実際に売上のお金が入ってくるのは後からですから、なかなか大変です

私にとって起業とは、自ら動くことで自分への気づきがいろいろあり、自分のことを知る手段だと思います。そして事業は自分を知ったり、自分を表現したりする場です。

今後の展開やビジョン、夢を教えてください。

単純に商品を輸入して販売するというだけでなく、商品を通して人が集まる場や機会を作りたいと思っています。そしてひとりひとりが本当に自分のやりたいことに気づき、それが実現できるような場や媒体になりたいと思います。今、関心を持ち始めているのは、もっと自然に近いところで何かできないかなということです。人は自然の一部だと思うのですが、現代社会では自然から離れてしまって頭をたくさん使う生活をしています。頭を使わないでもっと自然とふれあい、自分のやりたいことに忠実に生きていったら人はもっと楽に生きられると思うのです。オリーブオイルや自然なものを通して、そういう思いに共感できる人が集まってなにかできたらいいなと思っています。もちろん、もっと商品開発もしたいと思っています。今扱っている商品との相乗効果で、オリジナル商品を開発して販売することも検討しています。

あとに続く後輩に応援メッセ―ジをお願いします。

なぜ起業したいのかをよく自分に聞いてみるといいと思います。みんながやっているからと周りを見て答えを出すのではなく、自分が本当にやりたいかどうかを問いかけながら、何をしていくのか考えたり決めていったりしたらいいのではないでしょうか。女性の起業がブームになっていて「自分は出遅れている、自分もなにかしなきゃ」と流されたりあせったりする必要はないと思います。それがあなたにとって一番自然なものなのか、起業があなたにとって本当に向いているのかどうかも含めて、やりたいことを考えてみることです。頭で考えるのではなく、自分の心に従って、必要な時にはどんな小さない行動でもいいので、一歩踏み出してみる。その中から、自分が楽しい、ハッピーと思えることが見つかります。

インタビューを終えて

スペインのオリーブ農家さんとの出会いから起業をスタートした工藤さん。商社を通さず、実際に現地を訪れ、収穫を確かめながら輸入しているというのが素敵だなと思いました。また生産農家さんの人柄や生き方に共感し、生産者と販売者という関係以上のよい絆を築いていらっしゃいます。
またオリーブオイルと並行して澄(スミ)クリアローションという化粧水の開発もされ、昨年末、西友が主催する「第2回女性が活躍する企業の商品」にも選出されました。長年、化粧品会社にいらっしゃったので、本当に作りたかった納得の化粧水なのだと思います。
普段はネットショップの他に、マルシェでの出店、イベントへの参加、セミナーの開催、執筆などマルチに活動されている工藤さん、これからも頑張ってください!
(インタビュアー:滝)

 

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