VOL.14

自由が丘でキッチンとダイニングの
レンタルスペース事業を展開。

合資会社イーリビング 上村武男(かみむらたけお)さん
50代で大手メーカーを早期退職した後、キッチンとダイニングのレンタルスペースの事業を始められた上村さん。今回は自由が丘の静かな住宅街にあるCOOK×(クックバイ)にお伺いしてきました。

[ 企業プロフィール ]
  ・会社名:合資会社イーリビング  
  ・サービス名:COOK×(クック バイ)
  ・サービス開始:2015年10月
  ・URL:http://cook-by.com/
  ・事業内容:レンタルキッチンスペース

美味しい料理を楽しむシェアスペースCOOK ×(クックバイ)を展開しています。

キッチンとダイニングがあるレンタルスペースを事業として行っています。
お料理教室などの開催に使って頂ける他、ホームパーティのような食事会、料理撮影などの用途にお使いいただける貸し出スペースです。冷蔵庫、オーブンレンジ、炊飯器、調理器具などの他、お皿やグラスなどの食器類も備品として揃えています。

  

50代で会社を早期退職し、その後いろいろ考えた中で起業の道を選びました。

もともとは出版社に勤めていて本の編集に10年ほど携わっていました。そのあと技術系のメーカーに転職し20年ほど営業を中心に働いていました。その会社が早期退職制度を実施したので2010年の10月にその制度を利用して退職しました。当時はあまり起業しようとは考えていなくて、社会人を対象とした大学院で芸術文化の研究をしたり、ファイナンシャルプランナーや宅建の資格の勉強をしたりしていました。その後資格を取得したので、その資格を使って何か始めようと考えたのですが、今から始めるには特色がないとだめだろうと・・・。いろいろ考えたのですが、もともと出版社にいたこともあって、何か本と絡めた×BOOK(バイブック)構想をやってみたいと思いました。バイとは×かけるの英語読みで本と何かの融合を意味し、 MONEY×BOOKとか、 SPORT×BOOKとか、COOK×BOOKなど、業界や何か専門に特化した専門書店とそのコンサルティングやサービスの融合です。お金の本の販売とファイナンシャルプランナーとしてのコンサルティングを併せたMONEY×BOOK(マネーバイブック)という事業はどうだろうかとも考えましたが、このご時世コンサルティングビジネスで稼いでいくのは非常に大変だろうと思いました。

方向性をいろいろ模索していた中、「食」と「本」はマーケットが大きそうだと感じました。アメリカにはキッチン付き本屋というのがあってキッチンでイベントをしながら本を売るというビジネスがあるし、都内の本屋を何店も見て回ると食の本の多さに気付かされます。
そこで“キッチンスペース”と“カフェ”と“食の本”を扱う融合店舗ができないかと思いました。ただ実際動いてみると、本の仕入れ・販売は新規では取引きが難しいこともあって、本の取扱いは後々考えることにして、まずはレンタルキッチンスペースから始めることにしました。最近ではクックパッドの料理教室がすごい人気だと聞きます。自宅で料理教室を開きたいけど自宅ではできないという人のニーズはかなりあるのではないかと考えています。調べてみると都内ではレンタルキッチンスペースはそれほど多くはありませんし、価格帯も調べるなどして検討しました。

場所はもともと持っていた物件が空いたのでそこをレンタルキッチンスペースとして利用することにし、投資のかかる大きなリスクを避けました。今はCOOK×BOOK(クック・バイ・ブック)の本の部分は行っていませんが、この方向性が間違っていないかどうか、確信したら次のステップで“食の本”の扱いも行っていこうと考えています。

  

日経MJにこの事業が記事として取り上げられました。

起業してみて良かったと思うのは、いい意味でも悪い意味でも全部自分で決められるということです。休日をいつにするか時間をどう使うかは自分で自由に決められます。逆に何から何まで細かいところまで全部自分で決めなければなりません。どこで何を買うかまで一人で決めるのは会社員とは違いますね。

まだ始めたばかりであまり知られていないので、先日集客のためにネット中心のプレスリリース会社にお願いしました。1回で150位の媒体にプレスリリースを配信してくれるのですが、早速日経MJの記者が取材に来てくれて、このビジネスが記事として紹介されました。ネット上のメディアに取り上げられることはあっても新聞社に取り上げられることはなかなかないそうです。またネット上でリリース記事がたくさん出たせいか、検索エンジンで上位にあがるようになりました。

あなたにとって起業とは・・・

現実的に言えば、定年という枠を超えて働き続けることが私にとっての起業ですね。またもう一方では夢の実現でもあります。来年60歳になりますが大学や会社の同期などは先が見えてきて、辞めるか雇用延長するかといった話ばかりしていますから・・・。

今後の展開ですが、先ほどもお話ししたように本来はCOOK×BOOKなので本の方の展開を考えていきたいと思います。新刊の取扱いが難しいようなら古書にして、「食」の中でもレシピ本を中心に揃えて料理家をサポートしていきたいと思います。

同世代の人には、“起業はいつからでもできます”とエールを送りたい。

今は企業に勤めあげるという時代ではないので、若い人の独立には大いに期待したいですね。それと同世代の人に対しては起業はいつからでもできるといいたいです。定年間近になると思考が止まっているような人が多い気がします。辞めるか再雇用してもらうかくらいしか選択肢がないと思っているようですが働き続ける道(=起業)もあるのだと。定年が来てからさてどうしようといったゼロからのスタートではなく、ある程度準備したり考えておいたりした方が良いと思います。

インタビューを終えて

自由が丘から歩いて10分くらいのところの街の賑わいと喧騒を少し外れた、落ち着いた静かな住宅街の一角に「クックバイ」はありました。コンクリートむき出しのおしゃれな内装でしたので、最初大幅なリフォームをされたのかと思いましたが、聞けばもともとデザイナーズマンションで手は加えていないそうです。ダイニングテーブルや食器類もおしゃれに揃えられていました。50代半ばからの起業ということで大きな投資はせず、リスクを抑えながら、ビジネスとしての手ごたえや方向性を探りつつ発展させていくという手堅い手法です。長年の夢だったことをご自分のやり方やペースで実現され、働き続けるという選択肢をされた上村さんはとても充実されているように見えました。まだビジネスはスタートされたばかりですが、方向性を探りつつ今後益々発展させていっていただければと思います。この記事をお読みの方で、お料理教室やサロンパーティーを開きたいと考えていらっしゃる方、ぜひご利用されてみてはいかがでしょうか。
(インタビュアー:滝)

 

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